2016【学生インタビュー】Class for Everyone代表 高濱宏至さん

今回は11月19日開催の「国際協力・ソーシャルビジネス アジアカンファレンス2016」にご登壇いただく、NPO Class for Everyone代表として途上国にIT教育を広めることに挑戦されている高濱宏至さんにインタビューさせていただきました。

学生時代のボランティアが人生を変えた。

takahama2Q.NPO法人Class for Everyoneの活動を始めるきっかけはどのようなものだったのですか?

A.活動のきっかけは、学生時代にサークル活動の一環として訪れたフィリピンです。現地に3週間ほど訪れてホームステイをしたのだけれど、初日からかホストファミリーが僕をまるで家族のように受け入れてくれたんですよね。それ以来、フィリピンが好きになってしまって、『何か恩返しがしたい。』と思うようになりました。それがこの活動を始めるきっかけとなった原点です。いまでも空港に降りたつたびにフィリピンの熱気を感じて、『あー、フィリピンきたなー』ってなりますよ。

自分の名前が自分の名前として、社会でリアルに評価されたかった。

Q.大学卒業後、楽天に入社されていますよね。今を時めく大会社ですが、辞める時は不安があったりしなかったのですか?

A.辞める時は、そんな後のことを考えたりしませんでした。そもそもやりたいことがあっから企業に入りました。楽天に入ったのは、インターネットのことを知っていれば何でもできると思ったからです。これがあれば、いろんな国の貧しい人たちでも勉強できるんじゃないかと思いまして。だから最初から、ウェブ上でアウトプットができるようになったらやめようと思ってました。その選択は正しかったと今でも思っています。

Q.なぜ、起業をしようと思ったのですか?

A.僕は高校の時からパレスチナ問題に興味があって、もともと国際政治を専門で勉強していました。その後フィリピンに出会って、その時にはジャーナリストになりたいと思いました。しかし、ジャーナリストは、世界の真実を自分の目で見て、それを伝える目的がありますが、それをやるには記者じゃなくて自分で起業をしてもできるなと思ったからです。

あとは、自分の名前が自分の名前として、社会でどういう価値があるかとか、何ができるかとか、そのまま評価されたかったからですね。『なんとか企業のなんとかです。』って言っても、すごいのはなんとか企業が凄ければそうなるし。でも、そうではなくて自分に何ができるのかをリアルに知りたいと思いました。

直感を大切に、情熱を持ってことに当たる。

takahama1Q.高濱さんのモットーはなんでしょうか?

A.『ここだ』って時に飛び込むことですね。恋愛で例えたら、『君が好きだ。』『今日はどうしても君と飲みたいんだ』ってぶつかっていくこと。それが起業だからね。振られたらどうしようとかそんなのを考えてたらダメですよ。情熱を傾けられる場所があるといいですね。それが僕にとってはフィリピンだったってことです。

Q.学生に対して何かメッセージをお願いします。

A.新しいことに挑戦する際に、不安に思って動けていない人が多いと感じています。自信がないんですよね。なんでかわからないけど、自分を信じていない。世間的にはエリートなのに。実際に、世の中何が起こるかわからないし、たとえどんなに優良起業であろうと、潰れる可能性はあって、ただ自分は大きな船の上に乗っかっているんだってことを理解しておくことが大切ですね。

大きな船からいつ降りてもいいような自分を鍛えるということですね。自信、確かにもてていないです。これからしっかりと育てたいと思います。ありがとうございました!

< 高濱宏至さんプロフィール>
1985年生まれ。熊本県熊本市出身。立教大学法学部政治学科卒。2009年に楽天に入社。システムエンジニアとして働いた。2011年に退社し、同年NPO法人Class for Everyoneを設立、世界中の途上国にPCを届けている。現代表理事。

特定非営利活動法人Class for Everyone
2012年、インターネットを使って途上国に平等な教育機会を創出できないかと、NPO法人Class for Everyoneを創設。日本で使われないパソコンを途上国の学校などに届けると共に、主にフィリピンのスラム街に住む貧困層の子ども達に教育機会を創出する。4年間でアジア・アフリカ20ヶ国にパソコン2300台を届け、現地に住む2,5万人の子ども達にICT教育を行う。今年3月にはANAグループと富士ゼロックス株式会社の協力のもと航空機の貨物スペースを活用した途上国へのパソコン輸送連携を実施するなど、その取り組みは大きく広がっている。

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